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iPhoneからMacへの画面ミラーリングを試してみた

Macでは動かずiOSでしか動かないアプリがあるが、iPhoneでは画面が小さすぎることがあって、Macの画面に映せないかと思っていたが、既に実装されていた。iPhoneの画面を下からスワイプして画面ミラーリングのボタンを押して、Macを選択するとiPhoneの画面がそのままMacに表示される。iPhone側の画面が縦長だと、Mac側でも縦長の画面が表示されるので、せっかくのMacの大きな画面を活かせない。 あくまでも画面ミラーリングなので操作はiPhone側で行う必要があり、細かい操作をすると結局iPhoneの画面を見ながらの操作になってしまうので、Macの画面に映し出す意味がない。できればMacのキーボードやタッチパッドをiPhoneの外部入力装置として使うことができればMac上で操作できるのだが。 唯一便利そうなのはiOSでのみ動く動画アプリの動画をMacに映すときだが、これは該当する場面が限られる。 YouTubeの画面上でAirPlayを選択して転送先としてMacを指定すると、Macの画面で動画を再生できるが、AirPlayなのでMac上で直接YouTubeを再生するときよりも画質が粗い。それなら最初からMac上で操作する方が簡単だし画質も良い。
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ノイズキャンセリングイヤホンで電車接近時のノイズが増幅される。

ノイズキャンセリングイヤホンは定常的なノイズを打ち消すのには効果的だが、そうでないノイズには必ずしも有効ではない。 機種に依存するかもしれないので機種名を記すと、LIBRATONE TRACK+(2nd)である。駅のホームで電車を待っているとき、反対側のホームに列車が到着するときにゴーという音が鳴る。単に列車が接近するだけならドップラー効果で周波数が上がるだけなので、ノイズを逆位相で打ち消すのは容易である。それに対して停車列車は減速しているので周波数が下がっていく。聞こえた音に追随してその逆位相の音を出すと周波数がずれ位相もずれるので、きれいに打ち消せないのではないのだろうかと推測している。低音のゴーという音はもしかして周波数のずれに起因するうなりだろうか。これはノイズキャンセリングのアルゴリズムに依存しているかもしれず、ノイズキャンセリング性能を売りにしている他社製品では発生しない現象なのだろうかと思うものの、実機で確認できていないのでわからない。 きれいに逆位相の音を当てるのがそんなに簡単なことではないとすると、それではなぜ定常的なノイズを打ち消せるのだろうかと不思議に思えてくる。任意の波形に追随して短時間に逆位相の音を当てるのは難しそうなので、もしかしてフーリエ変換して様々な周波数の正弦波に分解して、それぞれに逆位相の音を当てた上で逆フーリエ変換して出力しているのだろうか。これならタイムラグがあっても同じ周波数の正弦波でしかないので、簡単に打ち消せそうに見える。 低音のノイズを簡単に打ち消せる一方で人の話し声が消えないのは、消えると却って不便という機能上の要請もあるかもしれないが、人の話し声は波形が一定しないので逆位相の音を当てるのが難しいという技術的な制約なのかもしれない。

性自認に関する素朴な疑問

肉体は男性だけれども性自認は女性だという人は、どうしてステレオタイプ的な女性を演じようとするのだろう。仮に性自認が女性だとしても、なぜ髪を伸ばすのだろう、なぜスカートを履くのだろう、なぜ女性の体を美しく見せるための技法を男性の体に無理やり当てはめようとするのだろう、なぜ女性用の更衣室や浴室を使おうとするのだろう、なぜ女性用のトイレを使おうとするのだろう。 本来、自分の体を使ってどのように表現するかは各人の自由であるが、そうはいっても身体は少なくとも顕在意識レベルでは与件なので、その体を美しく見せるような表現を選ぶ傾向がある。通常、おっさんが女装すると、男性と女性の悪い所を組み合わせたようになってしまい、残念ながら似合わない(似合えばもっと表現の幅が広がるのだが)。それは、女性用の服は女性の体の魅力を引き出すように作られており、男性の体の魅力を引き出すようにはできていないためである。 内面の物の考え方は身体を使った表現とはまた別の問題で、見た目が男性であっても女性的な考え方の人もいれば、その逆もいる。それも各人が好きなようにすればよいというだけのことである。男性100%という人も女性100%という人も滅多にいなくて、各人の中で男性的な思考もあれば女性的な思考もあり、その割合が人によって異なるだけのことである。 性別によらず誰を好きになるかも本人の自由。当然のことながら相手も同様に自由なので、双方のニーズがマッチしない限り好きになる以上のことをするのは難しい。同性愛だろうと異性愛だろうと相手の意思を尊重しなければならないのは一緒である。しかし、内面でどのように思おうとそれは本人の勝手。 ラベルは人の本質ではないのだから、ラベルにこだわらずに、自分の好みに応じて自然体で振る舞えばいいのにと思う。 日本人にはあまり実感がないだろうが日本はそういう意味ではなかなか自由な社会なのだが、米国は意外と堅苦しくて、男性はこうあるべき、女性はこうあるべきという強固な価値観が根付いている。米国では男性といえばゴリラみたいなのが尊ばれる(もっとも、ゴリラは自分が一番偉いと思っているので自分のことをゴリラとは思っていない)。「男だったらゴリラになれ、ゴリラに非ずば人に非ず」と言われてしまうと、「ゴリラなんて嫌だ」と思う人がいても無理はない。大抵の人はそこで「ゴリラではなく人間がよい」と思って

EvernoteからAppleのメモに移行した

かれこれ10数年Evernoteを使ってきたが、Evernoteは年々扱いにくくなっているのでだいぶ前から移行先を探していて、OneNoteやNotionを試してみたが、使い勝手に満足できず、移行できずにいた。先日インターネットの通じない環境でメモを取りたくなってふとiOS上のメモアプリを開いてみたところ、Windowsの「メモ帳」と異なり、Evernoteと類似のUIになっていた。AppleなのでiCloud経由で同期でき、様々なデバイスから読み書きできる。Evernoteは何でも記録できることを目指しているためか年々機能が肥大化しているが、テキストでメモを作成するのが目的なのでそんな複雑なものよりもシンプルな方がよい。最近はMacにiPadにiPhoneと身の回りの環境がApple製品ばかりになったので、Appleのクラウドサービス・アプリを使いやすい状況にある。唯一面倒なのはWindowsからのアクセスだが、これはウェブブラウザ上でiCloud.comにアクセスし、メモ帳を開けば、ウェブブラウザ上でEvernoteを使うのと同じ使い勝手で使うことができる。 Evernote上のメモが大量に貯まっているので、データの移行には手間がかかった。Evernoteのアプリ上で、エクスポートしたいメモを選び(複数選べる)、から「ファイル」「データのエクスポート」を選び、ファイル名を指定して保存する。このとき、同時に100個のメモまでしか選べないので、大量のメモを移行するためには100個ごとに移行作業が必要である。Evernoteの仕様なのだが、他のサービスへの移行を妨げるためにわざとそうしているのだろうか。 Mac上の「メモ」を開き「ファイル」「"メモ"に読み込む」を選び、エクスポートしたファイルを読み込むと、「メモ」上で表示される。あとはEvernoteのように使うだけである。 意外な機能として、Googleアカウントでメモを作成すると、Gmail上で自分が作成したメールとしてメモが保存される。Gmailのドラフトをオフラインで作成したいときに便利そうである。ただし、更新の都度Gmailのメッセージが追加されるので、1つのメモを更新し続ける用途には向かず、あくまでもオフラインでGmailのドラフトを作る用途に限定される。 「メモ」を使ううえで気がかり

Apple Watchを使ってみた

古いApple Watchのお下がりが来たので試しに使ってみた。2018年発売の第4世代である。今のところギリギリWatchOS9のサポート対象である。 初期設定の容易さはさすがApple。iPhoneとの連携も容易。ただし、iPhoneを持っていないとApple Watchが真価を発揮できないので、iPhoneを持っていることが前提になる。 右手にはめる場合、竜頭が右側だと不便だが、上下逆向きにして竜頭が左側に来るように設定できる。画面表示に融通の効くスマートウォッチならでは。 見ていないときには画面表示が消えるが、画面を見やすいよう手を動かすと加速度センサーが検知して画面が表示される。これもスマートウォッチならでは。左手につけるか右手につけるかも設定で選ぶことができ、もしかしたらそれぞれに合わせて最適化しているのかもしれない。 通常、この手の製品は寝ているときに充電するものだが、睡眠の質を計測する場合には睡眠中にApple Watchを装着する必要がある。装着時には充電できないので、寝る前に十分なバッテリー残量を確保しておく必要がある。 画面が小さいので文字入力には適さない。そのため、日本語入力では音声入力が前提になっている。そういえば、流星号を呼び出すときやジャイアントロボを操縦するときも腕時計上のデバイスで音声入力していた。英字入力では手書き入力にも対応している。また、iPhone側で代わりに文字入力する仕組みがあり、ワンテンポ遅れてApple Watchに反映される。 気になったのは、一部アプリが使えない点。iPhoneでアプリを立ち上げてくださいと出るのでiPhone側でもアプリを起動するも連携がうまくいかず、Apple Watch側で使えないアプリがある。OSは最新だが、Apple Watchのハードウェアが古すぎて一部のアプリに対応していないのだろうか。Apple WatchはGoogleとも相性が悪く、GmailやGoogle Calendarといった通知機能があれば便利なアプリを入れられない。App Storeでアプリをインストールしようとしたところ、竜頭の隣の平たいスイッチをダブルクリックしてくださいという指示があったのでその通りにしたものの、同じ指示が繰り返されるばかりでインストールされず。 使えたアプリのうち便利だったのは睡眠アプリ。寝てい

肉体が男性で性自認が女性である人が女性用のスペースを使用することについて

肉体が男性であっても性自認が女性なので男性用のスペースではなく女性用のスペース(共同浴場や更衣室やトイレ)を使いたいという人がいるらしい。一方、女性用のスペースに男性の体を持った人が入ってくるのは嫌だという人もいるようである。あいにくこの状況では利害が対立しているが、いずれも当事者のニーズなので、なるべく双方が困らないような解決策を考えるのが本来あるべき姿であり、それを当事者同士で話し合って決めるのが民主主義である。そのためには当事者の声を集めたり、技術的に可能な解決策を検討したりといった作業が伴う。それに対して、自分と異なる考えだからという理由で当事者の意見を封殺するのは全体主義であり極めて反民主的である。 困ったことに世の中にはいろいろな価値観の人がいて、当事者同士で話し合って平和的に問題を解決したいと望む人もいれば、反対に自分と異なる意見を力づくで押さえつけて自分の都合を押し付けたいという全体主義者もいる。単に争い事が好きで人を攻撃する口実を探し回っている人もいれば、不和を煽るのが好きな人もいるようである。 肉体が何であれ性自認が何であれ、単にニーズが異なる人同士なら共に話し合って解決策を考える余地があるが、価値観が根本的に異なる人とは共存しようがないので黙って離れるしかない。共同浴場を使用することに危険が伴うなら共同浴場を利用しないという選択もある。共用スペースではなくなるべく個室を使うというやり方もある。 争い事が好きでない人が争い事が好きな人と同じ土俵に立つ筋合いはないので、真っ向から相手にせず、なるべく価値観の合う人同士で付き合うようにしていればよい。

ホンダ・フィットのマイナーチェンジ

ホンダ・フィットのガソリンエンジン車の排気量がいつの間にか1.5Lになっていたので調べてみたら2022年10月のマイナーチェンジでパワートレインが変更になったようだった。レンタカーで1.3Lエンジン車に乗ったときには、街乗りでは快適な反面、高速道路ではパワーが無くて追い越し加速が絶望的だった。Bセグメント車ながら1.5Lエンジンを積んでいるヤリスやMazda 2に合わせたのか、1.5Lエンジンになってパワーとトルクに一回り余裕ができたようである。エンジンのパワーやトルクの数字は、フィットがヤリスの性能にマッチさせているのか、ほぼヤリスと同じである。 一方、1.3Lエンジンは圧縮比が13.5もあったのに1.5Lエンジンは圧縮比が10.6しかなく、WLTC燃費が悪化している。おそらくパワー重視の設定にしたのだろうが、ターボがついているわけでもなく、いまどきの自然吸気エンジンにしては低めである。そのせいか、ヤリスの1.5Lエンジン車に比べて15%ほど燃費が悪い。フィットの方が重いのかなと思ったが数字を見る限りでは重量の差は5%程度しかない。マツダ・デミオの日本仕様ガソリンエンジンの排気量を1.3Lから1.5Lに増やした際にもカタログ燃費の数字が悪化したが、エンジン回転数を抑えることができたために実燃費はむしろ向上しているとしたいた。フィットも同様だろうか。 ハイブリッド車もパワートレインが刷新されており、パワーとトルクが向上しているが、こちらは燃費も少々向上している。フィットのハイブリッド車が競合するのは同じサイズで同じくシリーズハイブリッドの日産ノートだろう。カタログ燃費は日産ノートが僅かに劣る程度だが、フィットは高速域でエンジン直結になるので実燃費はフィットの方が優れているのではないか。エンジン出力はフィットの方が大きいが、これは発電専用ではなく高速域で動力用として使うためではないかと推測する。フィットハイブリッドの1.5Lエンジンの圧縮比は13.5とかなり高めだが、これはマツダのSkyactiv-Gやトヨタのダイナミックフォースエンジンと同様に熱効率重視の設計なのだろう。一方日産ノートのエンジンは発電専用なのに圧縮比は12.0しかない。最も熱効率の良い領域でしか使わないのだったらこれでよいのだろうか。

ITリテラシーの欠如は国語力の欠如

最近は大抵の手続きがネット上で行われるようになった結果、その手の処理に馴染めない人は社会生活に支障するようになっている。生活に必要なことが自力でできないからといって死ねというわけにもいかないので、結局誰かが手助けせざるを得なくなる。これがIT介護である。個人においては親族が、企業においては情報システム部門のエンドユーザーサポート部門がIT介護の任に当たっている。 ITに限らず介護というのは大変な仕事で、ただでさえそれ自体が直接付加価値を生む仕事でないうえ、終わりの見えない仕事なので、体力もさることながら精神的にもきつい。だから情報システム部門のエンドユーザーサポート担当のIT技術者は一人また一人と辞めていき、その都度企業は優秀なIT技術者を失うことになる。 IT介護が精神的にきつい理由はいろいろありそうだが、とりわけ言葉が通じないのがつらい。単に知識がないだけなら説明すれば済むことで、それはさほど難しくない。 「○○をやろうとしたが先へ進めない」 「何をどこまでやって、どのような問題が生じましたか?」 「○○を入れたがそこで止まる」 「止まるとは具体的にどのような状態ですか?」 「止まる」「できない」 「パスワードを入れてもログインできない」 「半角文字と全角文字を区別して正確に入力していますか?」 「わからない」 いざ現物を見てみると、別にどうということもなかったりするので、その場で操作すればすぐに解決したりする。そのため画面コピーを送ってほしいとお願いしても、音沙汰がなかったりする。 自分が見たことややったことを正確で言葉で描写することは簡単なことではないが、それでも情報が伝わらないので問題解決のための手がかりが得られない。問題解決のためには問題の切り分けが必要なのだが、言葉の解像度が低いと問題を切り分けられない。 問題を切り分けられなければ解決できないので、どのような問題が起きてそれに対してどのように解決したかについての知見が蓄積しないので、いつまで経っても知見が増えないままである。国語力が欠如しているから学習できなくて、それがITにおいてはITリテラシーの欠如として表れるのだが、国語力の欠如による学習能力の欠如は汎用的な問題なのでおそらく他の分野のリテラシーも欠如しているのではないか。 しかし他の分野ではもう少し冗長性があるのでその問題が顕在化しにくいのかも

もし北陸新幹線が越後湯沢で分岐していたら

北陸新幹線を新規に建設するとしたら、高崎から上越妙高まで建設するよりも、既に上越新幹線のある越後湯沢駅で分岐するのが最短距離だし建設距離も短いのではないかと思えてくる。 しかし、最初の越後湯沢の分岐から難しい。越後湯沢駅の両側はトンネルに挟まれているので、立体交差で分岐するとしたら現在ガーラ湯沢駅となっている留置線への分岐を活用するしかない。越後湯沢駅は島式2面6線で中央の2線がホームのない本線である。留置線に分岐できるのはホームのある線路からなので、越後湯沢駅進入時に必ず速度制限を受ける。留置線への分岐にしても、本線としての勾配ではないし、信号システムは単線並列だったりするので、少なくともガーラ湯沢駅を抜けるまでは速度制限を受ける。関東を北陸とを結ぶ列車が必ずしも越後湯沢駅に停車する必要はないのだが、 停車させざるを得ないし、仮に通過しても所要時間への寄与はほとんどない。 ガーラ湯沢駅を抜けたら石打丸山スキー場の横を抜けて十二峠の下をトンネルでくぐって越後田沢駅方面に向かうのだが、信濃川沿いの盆地は比較的平らなのでここを高架橋で抜けるとしても標高差が大きく、規格外の急勾配ができてしまいそうである。 越後田沢駅付近で飯山線とほぼ直角に交差してまつだい付近で直江津駅に向かうことになるだろうが、この付近は地盤が悪く、トンネル工事史上悪名高い鍋立山トンネルがある。ここにトンネルを掘ろうとしたらトンネル工事が理由で開業が遅れそうである。 山を無事に抜けられたら国道253号に並行して直江津駅に向かうだろう。飯山駅経由のルートと違って、無理なく直江津駅を経由できる。あとはトンネルで一直線に能生に向かい、そこから先は現在のルートと同じになる。 ということを考えてみると、やはり北陸新幹線を越後湯沢から分岐させるのは技術的に厳しいのではないかと思えてくる。もともと碓氷峠の補機連結解消のために高崎軽井沢間でフル規格新幹線の建設が決まっていたので、それを延長する形の長野経由の方が技術的にやりやすいだろうし、たとえ建設費が余計にかかっても沿線人口の多い地域を通って収益を上げる方がよいかもしれない。

もし上越新幹線が十日町経由だったら

上越新幹線が十日町経由でなく浦佐経由だったのは土木技術的にそちらの方が有利だったからということで決着がついており、田中角栄による裁定も、土木技術的に合理的な解を選ぶという号令だったのではないかと推測する。上越線が建設された頃はわざわざ山を越えるまでもなく魚野川沿いに線路を通すのが合理的だったし、関越道が建設された際にも沿線人口の多い六日町小出経由のルートが選ばれた。過ぎたことではあるが、ではもし上越新幹線が十日町経由だったらどんなルートになっただろうか。 まず越後湯沢から十日町にかけてだが、山越えとはいってもそんなに長いトンネルは必要ない。北越急行の六日町から十日町にかけての区間の大半は赤倉トンネルという長大トンネルだが、これは六日町から十日町までまっすぐ結ぶと山と直交する形になり、勾配を一定以内に収めようとしたら必然的に長大トンネルになってしまうためである。それに対して越後湯沢から十日町までまっすぐ結ぶルートは山と斜めに交わる。そのため短いトンネルで標高を稼ぎ、トンネルの切れ目をスノーシェッドでつなぎ、ちょうど山の切れ目である大沢峠の下に少し長いトンネルを掘るだけで済む。大沢峠の下には現在新潟県道76号の大沢トンネルが通っており、このルートが越後湯沢と十日町とを最短で結ぶ道路ルートである。大沢峠から十日町にかけては新潟県道82号に並行するルートになり、ここだけはやや勾配が大きくなる。十日町駅付近が標高150m、大沢峠の下がだいたい標高400mくらいなので、このままでは十日町付近で30‰勾配になってしまう。勾配を緩和するためにはトンネルを長くする必要がある。越後湯沢駅付近は標高350mなので、越後湯沢駅から緩い勾配で下れば十日町まで約20kmで標高差200mなので平均勾配10‰である。十日町経由のルートが採用されなかったのは、この区間の勾配とトンネルの長さが不利に作用したためではないだろうか。 十日町の市街地は飯山線の線路に並行するか飯山線の線路の真上に高架橋を建設するなりすれば用地買収を最小限にできる。十日町から先も飯山線にほぼ沿って北上し、飯山線が北東に向きを変えてもなおまっすぐ北上して信濃川の幅の狭い所を橋で越えて、丘陵地をトンネルでショートカットすると小千谷市街に出る。市街地を避けるとなると関越道小千谷インター付近に新幹線単独駅を設置することになるだろう。上

憧れの職場は洗脳の巣窟

ANAのCAがマスク着用を強硬に求めたらしい。その前には三越の警備員がマスク着用を強硬に求めたようだ。きっと本人は正しいことをしたと思っているのだろう。マスク着用が新型コロナウイルスへの感染を抑止する効果が本当にあるのだったら、マスク着用率の高い日本で未だに新型コロナウイルスへの感染者数が飛び抜けて多いはずがないので、何かがおかしいと気がつくはずなのだが、なまじ組織への忠誠心の高い人は理不尽な命令にも従ってしまう。 日本ではどういうわけか一部の人の間でCAの仕事に人気があり、CA志望者にとってANAは間違いなく第一志望の憧れの職場である。ANAとJALの両方から内定が得られたらどちらに行こうか迷うかもしれないが、ANAとスカイマークの両方から内定が得られたら大半の人がANAを選ぶだろう。そのようにして入社した人は自分よりも職場を上に置いてしまう。看板の立派な会社は、自分よりも職場を上に置く人ばかりなので組織への忠誠心の高い職場である。そういう職場では上から言われたことは理不尽なことであっても忠実に実行しようとする。何かがおかしいと気づいた人はひっそりと辞めていくから、さらに組織への忠誠心の高い人ばかりが残る。 もちろん業界で生き残るためには監督官庁に逆らうわけにいかない。監督官庁が理不尽な指示を出したら従わざるを得ない。それでも真面目に従うか、あるいは従っている振りをするに留めるかについては会社に裁量の余地があって、最も強硬なのは指示に従わない乗客を叩き出すこと、最も緩いのは放送で呼びかけるだけに留めることである。会社は顧客から嫌われても生き残れないので監督官庁の意向と乗客の意向との間でバランスを取る必要がある。監督官庁の言いなりで生き残れるのだったら苦労はない。しかし、その匙加減を決められるのは経営者であって、末端の従業員の裁量の幅は乏しい。ペーペーと直接やり合うのは無駄である。 そういうわけで、誰もが憧れる職場ほど自浄作用が働きにくい。傍から見たら荒唐無稽であっても本人は大真面目である。こういう職場では組織の方針を決める経営者の役割が大きい。バランスを取る上で難しいのは、監督官庁からの指示は比較的わかりやすいが、不特定多数の顧客の意向はよくわからないことである。「こんな頭のおかしな会社とは関わりたくない」と思う人は黙って去っていくので、気がついた頃にはすでに顧客

へんなきかんしゃ

【蒸気タービン機関車】 ピストンの代わりにタービンで蒸気の運動エネルギーを動力にする蒸気機関車。タービンは部分負荷で熱効率が悪い。そのため、過去に製造されたことがあったがピストン式に淘汰された。 【電気式蒸気機関車】 ボイラーで蒸気タービンを回して発電して、電気モーターで走行する。蒸気機関が発電専用になり最大負荷で運用できるため熱効率が改善するほか、モーターの制御をインバータで行うので、蒸気機関の構造がシンプルになり、運転も容易。 【蒸気式電気機関車】 架線集電した電気でボイラーを沸かして蒸気を動力として走行する。煙を出さないのできれい。ちなみに電気ボイラーで蒸気タービンを回して発電すると単なる熱損失の大きい電気機関車になってしまう。 【石炭ガス化内燃機関車】 石炭をガス化炉でガス化してガスエンジンと液体変速機で走行する。石炭をボイラーで炊くよりも排気がきれい。 【石炭ガス化燃料電池機関車】 石炭をガス化炉でガス化して燃料電池(SOFC)で発電して電気モーターを回す。石炭はエネルギー密度が高く、貯蔵も容易。SOFCからは二酸化炭素と排熱が出るが、煙突から排出すればよい。 【水電解燃料電池機関車】 架線集電で水を電気分解して、取り出した水素を燃料電池(PEFC)で発電して電気モーターを回す。水なら常温で液体なので水素や都市ガスよりも貯蔵が容易だし、水なら容易に入手できる。 【軽油燃料電池機関車】 ディーゼル機関車と同様に軽油を燃料とするが、内燃機関の代わりに燃料電池(SOFC)とモーターで走行する。出力が小さい場合には内燃機関よりも燃料電池の方が熱効率が高い。 【蒸気機関で発電する磁気浮上鉄道】 磁気浮上鉄道の動力源は地上にあるので、高効率の大型石炭火力発電所で発電できる。中部電力の火力発電所の電力でリニア中央新幹線を走らせればこの方式になる。ということはリニア中央新幹線は未来のSLだったのか。

バイパス道路は最初から立体交差の自動車専用道で作った方が安くつくのではないか

市街地の混雑緩和のために国道のバイパスが開通するといつしか道路沿いに店舗が増えてきて、バイパスの本来の趣旨に反して生活道路になってしまう(例えば国道16号のように)。そうなると、通過交通を逃がすはずのバイパスを地元民が利用するようになって渋滞するようになるので、バイパスに対するバイパスが必要だから作りましょうということになり、バイパスがいくつも建設されていくうちに虫食い状に市街化が進んで中心市街地が空洞化していく。どうして店舗ができるかといえば、道路が隣接地に接しているからである。橋やトンネルの横に店舗を構えることはできない。 ということは、最初からバイパス道路を立体交差で作って道路沿いに店を出せないような構造にしてしまえば同じエリアにバイパスを何本も作るような無駄を避けられるのではないだろうか。道路沿いに何もなければ円滑に運転できるし、運転に集中できるから、その方が安全だろう。自動車専用道路にしてしまえば歩行者や軽車両の心配をせずに済むため、制限速度を高くとっても安全に走行できる。そのようにして通過交通を分離した後の旧道は生活道路として活用すればよい。 ということを考えているうちに思い当たるのが、新直轄方式による無料の高速道路である。あれは国道予算による国道の改良という位置づけであり、高速道路としては物足りないが、一般国道の改良事業としては申し分ない。対面通行であっても信号がなくて一定の速度で流れれば、一般道よりも速く走れる。高速道路でなくても、栃木県の新4号国道や愛知県の国道23号は立体交差なのでバイパス道路本来の機能を保てている。国道2号はほぼ全区間で立体交差区間が多いし、静岡県の国道1号のバイパスも立体交差区間が多い。

もし新富士駅が東海道線との交点にあったら

新富士駅は他の軌道系交通機関と接続していない。現在の立地に決まったのは用地の提供を受けられたとか、都市計画上立地が良いとかいった理由があるだろうし、地元の人は駅まで車で乗り付けるだろうから現在の場所で十分だろうが、この地域を訪問する際には不便なので、もう少し何とかならなかったものだろうかと思う。 素人考えでは、東海道線と交差する場所に新幹線駅があれば便利なのではないかと思う。在来線との乗り換えができるし、岳南鉄道の線路が近くを通っているので、旅客列車のみ新幹線駅まで線路を引き込めそうである(貨物列車については従来通り吉原駅を使用する想定。三岐鉄道において旅客列車が近鉄富田駅に発着し貨物列車がJR富田駅に発着するのと同様)。岳南鉄道に乗り換えられれば富士市の中心部の吉原中央まで電車で行ける。 身延線の列車が新幹線駅まで乗り入れれば富士宮まで電車で行ける。現状では鉄道利用が不便なので、東京から富士宮まで高速バスが利用されている。 道路交通の結節点としても良い場所である。この場所から東名富士インターまで道路がまっすぐ伸びているし、すぐ近くには国道1号のバイパスが通っているので、東西方向の移動にも南北方向の移動にも便利である。 問題となるのは用地である。新幹線と東海道線の交差部よりも西側には用地がない。もし駅を作るとしたら交差部の東側の、現在チップヤードとなっている土地がよいだろう。その場合、新幹線ホームと在来線ホームとが少々離れてしまうがやむを得ない。しかしそれでも土地が狭く、パークアンドライドに不可欠な駐車場のためのスペースが不足するし、周囲が工場や倉庫に囲まれているので駅前の発展の余地がない。駅用地および周辺の土地の確保については、やはり現在の場所の方が有利である。

20系客車にはなぜ電源車が導入されたのか

日本で客車列車が衰退した理由はいくつも挙げられるが、そのうちの一つは、機関車に客車向けのサービス電源を提供する機能が無かったことである。世界的に見て、旅客用機関車が客車にサービス電源を供給するのが常識であり(その代わり機関車を付け替える際にエアコンが止まる)、客車を牽引する機関車にサービス電源提供機能が無い日本の機関車は異質である。 20系客車は全車冷房車という点で画期的な存在だったが、当時の機関車に冷房をまかなえるほどの大容量の電源を供給できる機能が無かった。本来ならば20系客車に合わせてサービス電源を搭載した専用機関車が開発されてもよかったのだが、非電化区間では蒸気機関車が牽引しており、蒸気機関車は大容量の発電機を搭載していない。ディーゼル機関車なら発電用エンジンを搭載すればサービス電源を供給できる。特に電気式ディーゼル機関車なら走行用に発電した電力の一部をサービス電源に振り向ければよいので、さほど機器を追加せずにサービス電源を供給できる。実際、アムトラック等の北米のディーゼル機関車はこの方式である。しかし当時のDF50は電気式ゆえに重量が大きい割に走行用エンジンですら出力が過小で幹線での客車牽引に耐えなかったし、その後本線用機関車としての地位を確立したDD51は液体式なのでサービス電源のためには別途専用の発電機を搭載する必要があった。電気式ディーゼル機関車が本線用に実用化したのはJRになってからのDF200からだが、その時点では客車列車がほとんど消滅していたので、JR九州がななつ星用のDF200を発注した際にも機関車にはサービス電源を持たせず、客車側にディーゼル発電機を搭載する従来の方式を踏襲している。もっとも、機関車にサービス電源を搭載するとただでさえ大きい軸重がさらに大きくなってしまうので、軸重に余裕のある客車側にディーゼル発電機を搭載せざるを得ないという事情もあろう。 客車側にディーゼル発電機を搭載するというのは固定編成を前提とした考え方であり、分割併合を前提にした12系や14系でも固定編成であることに変わりない。しかしそれでは1両単位で増解結する一般型客車には冷房を搭載できない。実際、50系客車は非冷房で落成した。しかしその後しばらくして普通列車の冷房化が進展したので、冷房を搭載できない一般型客車は時代遅れの存在となった。 14系客車の火災事故をきっか